2020.9.19 伊豆大島大魚連発遠征〜第1夜〜

私は仕事柄、連休が少なく離島遠征は年に2.3回程度で、伊豆半島周りが主戦場である。そんな私に吉報、9月に4連休を頂けたのだ。どこへ行こうか。県外遠征も考えたが、ちょうど1週間前に知人が伊豆大島でハマフエフキを一晩で7尾上げたと聞いていて、3泊4日を伊豆大島で過ごしたいと考えた。連休に入る数日前から地元の友人である渡井勇君が岡田港の付け根にあるゲストハウスにいると言うのでそこを拠点にフル稼働で釣りをする事にした。

熱海から午後のジェット船に乗り込む。片道45分。チケット代は当日で4420円。学割で20%引きと聞いていれば学生の頃から頻繁に行っておきたかったものだった。岡田港に到着し、渡井君と合流する。初日に向かったのは泉津港。先端に入り沖向きに仕掛けを投げる。ここは水深が非常に深い。沼津界隈の急深護岸を彷彿とさせる。伊豆諸島には高水深な釣り場はいくつかあるが、堤防基礎の高低差で仕掛けが回収できない場所が多く、ここは投げ釣りが成立する数少ない深場である。ただし潮の流れが早く仕掛けを定着させるのに苦労する。

しばらく青イソメの房掛けを打ち返すがアタリは無かった。餌をサバの切り身に変えて投げ込んでも反応はない。沖に魚がいないとなると足元か?と気になり仕掛けはそのままに海底まで仕掛けを落としてみる。するとしばらくしてようやくのアタリ。少し食い込ませてから盛大に合わせを入れた凄い重量感。特徴的な引き込みから、正体はウツボだとすぐにわかった。しかしこのウツボ強烈にデカかった。渡井君に協力してもらい堤防に上げるととんでもないデカさにドン引き。

ウツボ

ゾンビの様な顔つき。さっさと撮影してリリースしよとしていたところ渡井君から一言「もしかしたら世界記録超えてるかもしれないですよ」。これまでのJGFA世界記録は西野勇馬くんがこの釣り場で釣り上げた5.05kg。確かに大きいがどうだろう。静岡に帰れば知り合いのウツボ料理屋さんがいるので、記録でなかったとしても持ち込めればいいだろうと考えていた。この重たいウツボを4日間クーラーに入れ引きずり回す覚悟の上クーラーにキープした。一度、渡井くんが別の用事でゲストハウスへ戻り、私は1人で釣りを続ける。しばらくして隣で竿を出していた男子グループに声をかけられた。千葉大の釣り部の集まりらしく、少し前に私が撮影したアカエイが出産する動画がネットで話題になっていて、それで私のことを認知したようだ。日が落ちて以降は長者オンパレード。外道とはいえ魚の活性が高いようだ。この餌取りのアタリが静まった後1発大物が来そうだなと妄想していると渡井くんから電話が。「迎え行くので岡田港で釣りしましょう」。何か事情があるのだろう。正直もう少し竿を出したかったが今釣行の移動手段は渡井くんが乗っている軽トラしかない。少し不貞腐れながら一度ゲストハウスに戻った。

日付が変わってから岡田港へ向かった。まだこの島に来て長い魚しか釣っていない。何か魚の形をしたものが釣りたいと考え、桟橋の少し屈折している所に入る。岸壁際の沈み根の少し先へサバの切り身をつけた仕掛けを落とす。しばらくすると竿先に弱いアタリが出た。ドンと合わせると確かな重量感で上がってきたのは小ぶりのネコザメ。待望の獲物でやけに嬉しかった。

ネコザメ

その後桟橋の先端の釣り座が空いたので夜明け前に移動し、岸壁から少し沖まで入っている根の先と、沖の砂地に仕掛けを投げ入れアタリを待った。空が白んできた頃、秋へ遠投していたイカの切り身にドラグを鳴らすアタリが来た。合わせると大きくはないがゴンゴンゴンと硬骨魚の様な引きを感じた。姿が見たいと慎重に寄せていたが、15m程先で痛恨の針外れ。姿を見ることはできなかった。悔しいのでイカを付け直し再度同じ場所へキャストし、モヤモヤした気持ちを祈りに変え竿先を睨む。するとしばらくして同じ様なアタリが来た。今度はしっかりと食い込ませ合わせを入れると外れることなく釣り上げられた。正体は小ぶりなハマフエフキ。実は伊豆大島初のハマフエフキですごく嬉しい。

ハマフエフキ

夢中で撮影をしていると、根の先に投げていた竿に小さなアタリが来た。竿先を見つめ様子を伺っているとすぐカタカタと揺れながら勢いよくドラグが鳴る。合わせると結構な重量感と魚っぽく期待してしまう引き込みで、今度は大きめのハマフエフキだと思いガンガン寄せる。すると水面に現れたのは異様な姿の生物。私は叫び歓喜した

「サカタザメだあぁぁぁ!」

サカタザメ

衝撃的な出会い。腰を抜かすほど喜んだ。実はこのサカタザメは10年程前にミッドナイトキャスターズの掲示板で写真を見てから、密かに憧れていた幻の軟骨魚類だった。いつか釣れるだろうと思ってても釣ったことはなく、5月に渡井君が目の前で釣り、初めて現物を見て憧れた魚だった。

食味もずっと気になっていたので、血抜きしてクーラーに押し込む。

余韻に浸りながらイカの切り身をつけた仕掛けをまた投げ返しているとすぐ、強烈なドラグ音が鳴り響く。咄嗟にドラグを締め合わせると今度は強烈に暴れ回る。これこそ絶対大型のハマフエフキだ!強烈な引き込みを交わし、徐々に寄せてくると海中に暴れ回る白い魚が。浮上させると驚いたことにサイズの良いカンパチだった。イカの切り身で釣れたのは初めて。

カンパチ 62cm

タモ入れの最中、このカンパチにずっとくっついて来たもう1匹のカンパチが見えた。つがいなのかわからないが、可哀想に思えてきた。さらにはクーラー内はサカタザメでパンパン。隣の釣り師に祝福を受ける中リリースした。

見てた人は唖然としていたけど、私的にはそれでいい。獲物は充分キープしてるし、余るほど命を頂くわけにもいかない。ゲストハウスでそれを話すとみんなガッカリしてたけど。 笑

サカタザメの刺身。ゲストハウスのお客さんに酢味噌を作っていただいた。臭みも無ければ脂も無かった。淡白ではあるが実はしっかりとしていた。酢味噌が絶品!

2日目の釣行まで日中しばし体を休めた。

タックル

竿:shimano サーフリーダー405cx-t

リール:パワーエアロ プロサーフ太糸使用・10 ソルティガ4500

道糸:PE3号+テーパーナイロン12号10m・PE6号

ハリス:バリバス12号

針:管付きチヌ12号

餌:小アジ1匹

投稿者: kajitani28

沼津・伊豆半島をホームに大物を狙う投げ釣り師です。

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